ワークライフバランスについて

僕は、在宅医療に特化した薬局の立ち上げにかかわらせていただき、当初は、仕事に大半を費やしてしまう生活を送っていました。その時間は個人的に有意義なものであったとは思うのですが、家族には多大な負担をかけてしまっていました。そのため、自分なりに働き方、ワーク・ライフ・バランスについて考えだすきっかけが持てたと思います。

日本でも、働き方改革が、昨今話題になっていると思います。
働き方改革とは、厚生労働省では、『働く方々がそれぞれの事情に応じた多様な働き方を選択できる社会を実現する働き方改革を総合的に推進するため、長時間労働の是正、多様で柔軟な働き方の実現、雇用形態にかかわらない公正な待遇の確保等のための措置』とされています1)厚生労働省.「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律」について.働き方改革パンフレット.2019/4掲載

その中で、『ワーク・ライフ・バランス』についても言及されております。「仕事と生活の調和」推進サイトでは、ワーク・ライフ・バランス(仕事と生活の調和)の実現した社会とは、「国民一人ひとりがやりがいや充実感を感じながら働き、仕事上の責任を果たすとともに、家庭や地域生活などにおいても、子育て期、中高年期といった人生の各段階に応じて多様な生き方が選択・実現できる社会」としています2)「仕事と生活の調和」推進サイト(2020/01/28閲覧) http://wwwa.cao.go.jp/wlb/towa/definition.html

経済協力開発機構(OECD)の報告では、日本は週50時間以上働いている人の割合は、17.9%であり、これは、40か国中35位となっています3)経済協力開発機構(OECD).Work-Life Balance. (2020/01/28閲覧)http://www.oecdbetterlifeindex.org/topics/work-life-balance/。韓国の研究では、仕事と生活のバランスの悪さは、心理社会的幸福(psychosocial well-being)の低さとの関連がある(prevalence ratios = 1.25; 95% CI 1.21 to 1.28)との可能性の報告があり4)Jae Won Yang.et.al.The work–life balance and psychosocial well-being of South Korean workers.Ann Occup Environ Med. 2018; 30: 38.PMID: 29928507、仕事と生活のバランスを整えること、どちらかだけで成功しているのではなく、仕事・家族・個人の全体としてのバランスの取れた状態が望ましいとされています5)T. S. Sathyanarayana Rao and Vishal Indla.Work, family or personal life: Why not all three?Indian J Psychiatry. 2010 Oct-Dec; 52(4): 295–297.PMID: 21267360。感覚的にも、仕事と家庭の両立がうまくいっていない生活は、精神的にも満たされた状態にはなっていないのではないでしょうか。

『ワーク・ライフ・バランス』を実現するためには、どうすればいいでしょうか。就業時間が減れば、休みが多くなれば、それは実現できるのでしょうか。個々人にとって、生活と仕事が調和されている状態は異なると思います。子供が生まれたばかりでは、家族の時間・急病時の休みの取れやすさなどが大切になってくるかもしれません。新規事業立ち上げのときなどは、仕事に比重が増している状態の方がいい場合もあるかもしれません。時間に追われた状態ではなく、何かをする余裕が常にある状態が必要なのかもしれません。

WHOで提唱されている健康度調整平均寿命(HALE)では、2016年時点の結果で、日本は74.81年でした6)WHO.Healthy life expectancy (HALE) at birth (years)(2020/01/29閲覧)https://www.who.int/data/gho/data/themes/topics/indicator-groups/indicator-group-details/GHO/healthy-life-expectancy-(hale。単純に考えると、70歳近くまで、僕らは働いている可能性があるとも見て取れます。その文脈で考えると、40-50年働く可能性があり、その長期間を何か1つのスキルや資格だけで乗り越えるのは困難な時代に突入しているのかもしれません。

人生のライフステージにおいて、結婚、出産など様々な生活面のフェーズで、仕事と生活のバランスをとっていくことはとても大事でしょう。その各フェーズで、どこに時間をフォーカスしていくかは、個々人によって考え方は違うでしょうし、家族内でも方向性を共有していく必要があると思います。未来のことは自分なりには考えますが、正直よくわからないです。だからこそ、自分の現在の時間価値をよく考え、今の仕事は自分がやるべきことなのか、楽しんでいれているか、家族と向き合えているか、個人の時間をとれているかなどを大切にしていく必要があるのかなと思っています。

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References   [ + ]

1. 厚生労働省.「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律」について.働き方改革パンフレット.2019/4掲載
2. 「仕事と生活の調和」推進サイト(2020/01/28閲覧) http://wwwa.cao.go.jp/wlb/towa/definition.html
3. 経済協力開発機構(OECD).Work-Life Balance. (2020/01/28閲覧)http://www.oecdbetterlifeindex.org/topics/work-life-balance/
4. Jae Won Yang.et.al.The work–life balance and psychosocial well-being of South Korean workers.Ann Occup Environ Med. 2018; 30: 38.PMID: 29928507
5. T. S. Sathyanarayana Rao and Vishal Indla.Work, family or personal life: Why not all three?Indian J Psychiatry. 2010 Oct-Dec; 52(4): 295–297.PMID: 21267360
6. WHO.Healthy life expectancy (HALE) at birth (years)(2020/01/29閲覧)https://www.who.int/data/gho/data/themes/topics/indicator-groups/indicator-group-details/GHO/healthy-life-expectancy-(hale

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