薬剤師の対人業務の評価

対人業務の評価として、少し気になる文献が出ておりましたので目を通してみました。

General practice pharmacist training pathway

イングランドでは、医師の働き方改革のため、『Clinical Pharmacist』を導入し、その育成のために、GPPTPという教育を行っています。

GPPTPとは、『General practice pharmacist training pathway』であり、このパスウェイでは、一般的な実践の役割に必要な知識、スキル、行動、および経験を薬剤師に提供するための包括的なプログラムを提供しており、以下の9つの分野に重きを置いているようです。1)Centre for Pharmacy Postgraduate Education. https://www.cppe.ac.uk/wizard/files/general-practice/gpptp-promo-brochure.pdf (2019/10/20閲覧)

1.一般診療の基礎
2.処方
(a)人を中心とした安全で質の高い処方
(b)正式に認可された処方資格(高等教育機関を経由し、一般医薬品審議会によって定義されているもの)
3.臨床評価、検査およびモニタリング
4.相談とコミュニケーションのスキル
5.長期的な状態管理
6.一般的な病気の管理
7.医薬品の最適化、Multimorbidityおよびポリファーマシー
8.EBMと安全性
9.リーダーシップと管理

対人業務の評価

 今回、このGPPTPにより、どれくらい薬剤師による対人業務への行動変容が行えたかという調査の文献が出ていました。2)Bradley F.et.al.Evolution of the general practice pharmacist’s role in England: a longitudinal study.Br J Gen Pract. 2018 Oct;68(675):e727-e734. PMID: 30154077 

この試験では、GPPTPの取り組み初期と、6ヶ月後にアンケート調査をすることで、その行動変容の程度を評価しています。
具体的には、以下の評価項目でアンケートをしており、8割型で有意な増加傾向がありました。回答率は約50%くらいでしたので、その点は少し考慮した解釈が必要かもしれません。詳しくは、原著論文の表3を見ていただければと思います。

・患者と一緒に診療所を運営
・特定の長期状態(糖尿病、喘息)の管理
・QOF(Quality and Outcomes)およびQIPP(Quality, Innovation, Productivity and Prevention)のサポート
・患者との対面での臨床medication review
・生化学またはその他の検査結果のリクエスト
・実践ポリシーの作成と実現
・複雑なMultimorbidityの管理
・患者への電話サポート
・介護施設訪問
・独立した処方
・フィジカルアセスメントを使用した患者の臨床検査
・医薬品の最適化と治療に関するトレーニングチームのトレーニング
・退院/ケア移転時のMedicines reconciliation
・繰り返し処方プロセスの管理
・患者のいないデスクトップでのmedication review
・在宅訪問
・コミュニティ薬局との連絡ポイントとして機能
・監査/患者検索の実施
・トリアージシステム実践のサポート
・他の一般診療臨床薬剤師の監督
・一般的または急性疾患の管理

Table 3 アンケート前後での臨床薬剤師の活動の比較

このような形で、薬剤師の職能を評価していくことはとても大事な視点であるのかなと感じました。対物から対人へという流れはとても大切だと思います。その流れを加速するために、今回のような資格制にしたり、教育制度を充実させていくことは一つの方法であるのかもしれません。

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References   [ + ]

1. Centre for Pharmacy Postgraduate Education. https://www.cppe.ac.uk/wizard/files/general-practice/gpptp-promo-brochure.pdf (2019/10/20閲覧
2. Bradley F.et.al.Evolution of the general practice pharmacist’s role in England: a longitudinal study.Br J Gen Pract. 2018 Oct;68(675):e727-e734. PMID: 30154077 

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