ポリファーマシーと低栄養

今回は、低栄養とポリファーマシーについて調べてみました。

低栄養とは、『栄養素の摂取が生体の必要量より少ないときに起こる体の状態』となっています。1)厚生労働省:e-ヘルスネット

≪読んでみた論文≫

・低栄養の原因を調べるため行われた、65歳以上の高齢者を対象とした前向きコホート研究のシステマティックレビューでは、以下のように結論を出しています。2)Potentially modifiable determinants of malnutrition in older adults: A systematic review.Clin Nutr. 2018 Dec 11. pii: S0261-5614(18)32575-5.PMID: 30685297

入院、食事の依存状態、健康面の自覚不良、身体機能、食欲不振が低栄養の決定要因であるという中程度のエビデンスを提供しています。
咀嚼困難、口の痛み、歯肉の問題による合併症、視覚障害および聴覚障害、喫煙状態、アルコール摂取、身体活動レベル、食品の味覚および特定の栄養素摂取による症状が低栄養の決定要因ではないことを中等度の品質のエビデンスが示唆しています。
人生への関心の喪失、宅配食へのアクセス、食事の食感の改善が低栄養の決定要因であるという低いエビデンスを示しています。
心理的苦痛、不安、孤独、交通と福祉へのアクセス、空腹と渇きが低栄養の決定要因ではないという低いエビデンスを示しています。
歯の状態、嚥下、認知機能、鬱病、居住状態、薬物摂取および/またはポリファーマシー、便秘、歯周病が低栄養の決定要因であるという矛盾するエビデンスがあります。

・65歳以上の独居老人を対象としたケースコントロール研究では、以下のような結果が出ています。3)Polypharmacy and the Risk of Malnutrition among Independently-living Elderly Persons in Trinidad.West Indian Med J. 2015 May 15;65(2):323-327. PMID: 28358457

薬の数は、慢性疾患の数(r = 0.56; p <0.001)および低栄養のリスク(r = 0.30; p = 0.006)と有意に正の相関がありました。 多剤併用患者は、非多剤併用患者と比較して、低栄養のリスクが高い可能性が有意に高くなりました(OR = 3.94、95%CI:1.52、10.13; p = 0.004)。 この所見は、年齢、性別、民族、最高学歴、配偶者の有無、および疾患の数を同時に調整した後も、非常に有意なままでありました(p = 0.03)。

・ポリファーマシーと低栄養についてのレビュー論文では、ポリファーマシーと低栄養との関係性を図示化しています。4)Polypharmacy and malnutrition.Curr Opin Clin Nutr Metab Care. 2013 Jan;16(1):50-5. PMID: 23201650

ポリファーマシーと低栄養の模式図

≪感想≫

他にもいろいろと頑張って読んでみましたが、僕の読解力では、ポリファーマシーと低栄養の関連はあるとは思うけど、よくわからない感じでした。
ただ、臨床で、薬を10剤飲んでいるのに、ご飯は食べれていないという方に出会うと、何かできることはないのかなと思います。
ポリファーマシー、低栄養など、複数の原因が複雑に絡み合って起きているような状態が増えてきているように思います。原因が複数考えられる場合、多職種協働、カンファレンスなど、それぞれの専門性を発揮する場がより必要になってきているのかなと思います。
病院や在宅の場だけでなく、外来の方に対しても、調剤薬局でそのような仕組みや場を構築していかなければいけないなと思います。

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References   [ + ]

1. 厚生労働省:e-ヘルスネット
2. Potentially modifiable determinants of malnutrition in older adults: A systematic review.Clin Nutr. 2018 Dec 11. pii: S0261-5614(18)32575-5.PMID: 30685297
3. Polypharmacy and the Risk of Malnutrition among Independently-living Elderly Persons in Trinidad.West Indian Med J. 2015 May 15;65(2):323-327. PMID: 28358457
4. Polypharmacy and malnutrition.Curr Opin Clin Nutr Metab Care. 2013 Jan;16(1):50-5. PMID: 23201650

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