フォーミュラリーについて学習

フォーミュラリーの名を最近よく目にしますが、あまりわかっていない部分も多いので、少し学習してみることにしました。

≪フォーミュラリーとは≫

厚生労働省では、『医療機関等における標準的な薬剤選択の使用方針に基づく採用医薬品リストとその関連情報。医薬品の有効性や安全性、費用対効果などを踏まえて、院内の医師や薬剤師等で構成される委員会などで協議し、継続的 にアップデートされる』と定義されています1)中央社会保険医療協議会 総会(第367回) 議事次第 外来医療(その3)について

Wikipediaでは、『フォーミュラリーの主な機能は、特定の病院で、特定の医療制度で、または特定の健康保険に基づいて処方されることが承認されている薬を特定することです。フォーミュラリーの開発は、有効性、安全性、および費用対効果の評価に基づいています。』と記されています。

≪チェックリスト≫

フォーミュラリーを作成するにあたり、この論文ではフォーミュラリーの意思決定の枠組みとして以下のようなカテゴリーのチェックリストを提供してくれています2)A prescription for improving drug formulary decision making.PLoS Med. 2012;9(5):1-7. PMID: 22629233

A:必要性のエビデンス
自分たちのフォーミュラリーに薬を追加するための説得力のある必要性はありますか?

B:有効性
この薬の主張を裏付けるエビデンスは何ですか?

C:安全性
どのような安全上の問題を考慮する必要がありますか?

D:誤用による影響の可能性
フォーミュラリーに含まれた場合、誤用や使い過ぎの可能性は何ですか?

E:コストへの影響
この薬の費用を正当化できますか?

F:意思決定情報、計算、タイミング、プロセス
委員会が利用できる情報とエビデンスの質と強さは何ですか?

本文では、この6つのカテゴリーから計48のチェックリストで構成されています。

≪ASHP Guidelines≫

American Society of Health-System Pharmacist(ASHP)が、フォーミュラリーについてガイドラインを策定しています3)ASHP guidelines on the pharmacy and therapeutics committee and the formulary system.Am J Health Syst Pharm. 2008 Jul 1;65(13):1272-83.PMID: 18589893 。ガイドライン内で、フォーミュラリーについて以下のように結論付けています。

フォーミュラリーシステムとは、患者にとって潜在的なリスクとコストを最小限に抑えながら、最良の治療結果を提供する医薬品を選択して使用するために組織が採用する、学際的でエビデンスに基づくプロセスです。組織はMUE(医薬品適正使用調査)プロセスを使用して、薬物使用プロセスのすべてのステップで組織内での薬物の使用方法を継続的に改善します。薬の使用は、絶え間ない評価を必要とする本質的に複雑で危険なプロセスです。組織は、薬を効果的かつ安全に使用するという目標を達成するために必要なツールとプロセスを実装する必要があります。薬物使用プロセスに携わる専門家は、薬物が適切かつ安全に使用されるように、組織の薬物使用ポリシーおよびプロセスを日常業務にどのように組み込むことができるかを知って理解する必要があります。テクノロジーはそれらのプロセスをより効果的にする多くの機会を提供します。薬物使用に関連する行動を伝達することは、組織が取り組む必要がある絶え間ない課題です。

プロセスを大事にしており、フォーミュラリーシステムの管理に関する決定は、最適な患者ケアをもたらす根拠に基づいた臨床的、倫理的、合法的、社会的、哲学的、生活の質、安全性、経済的要因に基づいて行われるべきであるとされ、多面的な評価を継続的にしていく必要があると考えられています。

≪感想≫

海外と日本では、保険制度が異なりますし、中には、まだ日本では開始されていない制度などのこともあり、すべてをそのまま日本に当てはめることは厳しいように思います。
また、上記の内容を見ていると、EBMの継続的な実践に近いのかなと感じました。システムに落とし込むうえで、ミス防止やコストなどもう少しチェックすべき点が増えているイメージなのかなと思いました。
EBMの実践、診療ガイドラインの批判的吟味、費用対効果の評価など必要とされるスキルは多いように思います。僕はもちろんまだまだ勉強不足なので、もっと頑張らなければと思いますが、現状EBM?となっているような地域で、地域フォーミュラリーが作成されても、果たしてうまく機能するのかは疑問が残ります。
ただ、個人的には、皆保険制度など、今の医療を持続可能なもので未来に残していくためには、地域フォーミュラリーのような考えは必要だと考えています。むしろ遅すぎるのかなと。
その為にも、各地で行われているようなジャーナルクラブ(論文抄読会)の活動が一般化されていくことが、地域のヘルスリテラシーの向上につながり、地域フォーミュラリーの基盤づくりに貢献していくのではないかなと個人的には思っています。

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References   [ + ]

1. 中央社会保険医療協議会 総会(第367回) 議事次第 外来医療(その3)について
2. A prescription for improving drug formulary decision making.PLoS Med. 2012;9(5):1-7. PMID: 22629233
3. ASHP guidelines on the pharmacy and therapeutics committee and the formulary system.Am J Health Syst Pharm. 2008 Jul 1;65(13):1272-83.PMID: 18589893

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