高齢者の薬物治療の最適化に対する薬剤師の介入の効果

今回は、薬物治療の最適化に関して、薬剤師が介入を行った際の効果についての論文を読んでみることにしました。

The effect of pharmacist-led interventions in optimising prescribing in older adults in primary care: A systematic review.
SAGE Open Med. 2016 Jun 14;4:2050312116652568.
PMID: 27354917

http://europepmc.org/abstract/MED/27354917

≪論文のPICO≫

P:65歳以上の高齢者(高齢者福祉施設は除外)
I :不適切薬剤に関して薬剤師の介入
C:通常ケアもしくは他の介入
O:プライマリーアウトカムとして、Beers criteria、STOPP/START、MAIの使用による処方変更。
  二次アウトカムとして、QOL、顧客満足度のような臨床・自己報告アウトカム。
試験デザイン:全てのRCT、準RCT、前後比較研究、時系列分析。

≪批判的吟味≫

PRISMA声明に準拠。PRISMAサイト
レビュアーは、2人で独立して行い、意見が合わないときは話し合い、必要に応じて、第三者に入ってもらうとしています。
the Cochrane Collaboration’s toolでrisk of biasを評価したとしています。全体的として、risk of biasは高いとしています。
出版バイアスに関する記述は見つけられませんでした。
異質性についても、検証されているかはよくわかりませんでした。そもそも、介入方法や検証方法などばらつきが多そうなので、統合できないのかもしれません。メタアナリシスではなく、narrative synthesisをしているとありました。きちんとはわからないのですが、定性的なデータの場合、言葉や物語でストーリーを作成し、仮説を検証・統合していくようなイメージのようです。

≪結果≫

5つの研究が基準を満たしていました。

基準を満たした研究の特徴として、4つが、薬剤師が医師・患者・家族に投薬レビューをし、フィードバックの提供を行い、MAIスコアで評価していました。3つの研究でMAIスコアで改善が見られました。

※MAIスコア
1:3点 薬の適応はあるか?
2:3点 薬はその症状に効果があるか?
3:2点 用量は正しいか?
4:2点 指示は正しいか?
5:2点 指示は実用的か?
6:2点 臨床的に重要な薬物相互作用はあるか?
7:1点 臨床的に重要な薬物・疾患相互作用はあるか?
8:1点 他の薬との不必要な重複はあるか?
9:1点 治療期間は許容範囲内か?
10:1点 他の同効薬と比べて安価か?
・合計18点で、0点に近いほど適切性を示し、18点に近づくほど、不適切性を示す。1)Clinical pharmacist evaluation of medication inappropriateness in the emergency department of a teaching hospital in Malta.Pharm Pract (Granada). 2012 Oct-Dec; 10(4): 181–187.PMID: 24155835

1つは、PIMs(潜在的に不適切な医薬品)に対するコンピューターによる警告ツールの使用がありました。Beers基準を参考に、PIMsを有意に減らしたとしています。

≪感想≫

効果は出ているようですが、臨床的に意味のある結果が出ているとは言いづらいのかなという印象です。
また、今回選ばれた研究は、risk of biasが高いものもあり、一般化できるかどうかには慎重に考える必要がありそうです。
ただ、臨床的なアウトカムは引き出せていなくても、薬を実際変更できている部分はあり、そういった意味では、昨今処方提案などの必要性が求めらている中では、参考にすべき論文ではないかなと思います。
社会的にも医療費の高騰に伴い、少ないコストに抑えながら、どれだけ最高のパフォーマンスを発揮できるかが求められていると思います。
その為にも、薬剤師は、コストと利益、害など、薬物治療に関し多面的に考えていく必要があると考えています。

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References   [ + ]

1. Clinical pharmacist evaluation of medication inappropriateness in the emergency department of a teaching hospital in Malta.Pharm Pract (Granada). 2012 Oct-Dec; 10(4): 181–187.PMID: 24155835

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