薬物有害事象評価ツールの論文を読んでみて

今回、薬物有害事象について、自身でもきちんと評価できるように、以下の論文を読んでみることにしました。
以下の論文では、Naranjo1)Naranjo CA, Busto U, Sellers EM. A method for estimating the probability of adverse drug reactions. Clinical Pharmacology and Therapeutics. 1981;30:239–245.のツールですと、限界がある事例があったため、新しい評価ツールを作成してみたとしています。

Development and inter-rater reliability of the Liverpool adverse drug reaction causality assessment tool.
PLoS One. 2011;6(12):e28096.
PMID: 22194808

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3237416/

≪Naranjo tool≫

Naranjo algorithm

1:Yes+1点、No0点
過去にこのような反応はあったか?
2:Yes+2点、No-1点、Don’t know0点
疑わしい薬剤の投与後に有害事象が発生したか?
3:Yes+1点、No0点、Don’t know0点
薬剤の中止・拮抗薬の投与で症状は改善したか?
4:Yes+2点、No0点、Don’t know0点
薬剤の再投与で有害事象が再発したか?
5:Yes-1点、No+2点、Don’t know0点
その症状を引き起こす薬剤以外の他の要因はあるか?
6:Yes-1点、No+1点、Don’t know0点
プラセボ投与時も症状は発現するか?
7:Yes+1点、No0点、Don’t know0点
血中濃度は中毒となる量だったか?
8:Yes+1点、No0点、Don’t know0点
投与量を増やすとひどくなり、減らすと軽くなるか?
9:Yes+1点、No0点、Don’t know0点
過去に疑わしい薬剤・類似薬で似た症状は起きていたか?
10:Yes+1点、No0点、Don’t know0点
その有害事象は客観的証拠に基づいているか?

≪Liverpool ADR causality assessment tool≫

Liverpool ADR CAT

①:有害事象を疑っているか? 
 Yes→②  No→Unlikely
②:薬剤投与後、もしくは薬剤増量後に、イベントが発生したか?
 Yes→④  No→③
③:既存の症状は薬によって悪化したか?
 Yes→④   No→Unlikely
④:薬剤の中止・減量で症状は改善したか?
 Yesか評価不能→⑥  No→⑤
⑤:そのイベントは長期の身体・機能障害に関連していたか?
 Yes→⑥  No→Possible
⑥そのイベントが潜在的な疾患による可能性はどのくらいか?
 Low→⑧   Highもしくはわからない→⑦
⑦原因となるADRメカニズムを支持する客観的証拠はあるか?
 Yes→⑨  No→Possible
⑧積極的な再投与はあったか?
 Yes→Definite  No→⑨
⑨過去にこの患者でこの薬による同じイベントはあったか?
 Yes→Definite  No→⑩
⑩この薬で以前そのイベントの報告はあがっているか?
 Yes→Probable   No→Possible

≪感想≫

薬局でも、『これって薬のせいかしら?』、『最近めまいがあって、薬からかな?』、『テレビで見たんだけど、この薬大丈夫なの?』など様々な質問を受けます。
現場では可能性を否定できませんと安易な回答が多い印象でもあります。
今回の論文は、そういった日々の顧客対応のスキルアップに、受診勧奨するかどうか、多職種とのコミュニケーション時になど、臨床の様々な場面で役立てそうなものではないかなと思いました。
もちろん臨床推論の学習の継続は必須でしょうが。
薬局で使用するとしたら、今回の論文のツールのほうが実践しやすそうな印象です。みんなにもすすめていきながら、実際の使いやすさとかなどヒアリングしていけたらなと思います。

Follow me!

References   [ + ]

1. Naranjo CA, Busto U, Sellers EM. A method for estimating the probability of adverse drug reactions. Clinical Pharmacology and Therapeutics. 1981;30:239–245.

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です