処方カスケードについて

処方カスケードについて自分なりに再度学習してみました。
薬がどんどん追加されていく方に対して、何かできることはないのかと。
その備忘録的な形になります。

「カスケード」とは、数珠つなぎのような意味で、処方カスケードは、処方が数珠つなぎになっているような状態。すなわち
『ある処方薬による副作用への対処、またはその予防のため、新たな処方薬が必要になってくる状態』
を意味しているのだと理解しております。

処方カスケードの要因について、はっきりとはわかっていないようですが、高齢者、ポリファーマシー、女性、「ハイリスク薬」を使用している人は、薬物有害事象のリスクが高いようです。薬物有害事象は、新薬開始後4か月以内(特に1か月以内)、用量増加時に起こりやすい。薬物有害事象が起こった際は、患者は報告せずに自己判断で中止することが多く、それは薬物有害事象に対する知識や対処方法の説明が不足しているためだとしています。1)The prescribing cascade. Aust Prescr 2011;34:162–6
説明不足というところは現場でも気を付けないといけないところですが、実際のところ、すべての有害事象に関する説明をすることは難しく、また、有害事象に関する説明は言葉使いを少し間違えれば、それが服薬拒否につながる場合もあるかと思います。
そういう部分でも、まずはかかりつけ薬剤師としての信頼関係の構築。薬や病気に対することは、自己判断せずに、まずは薬剤師や医師に相談してみるというファーストタッチになりうる関係性を築き上げていかないといけないのかもしれません。

また処方カスケードを、点数で評価するアルゴリズムを作成している文献もありました。2)Prescribing cascade. A proposed new way to evaluate it.Medicina (B Aires). 2017;77(1):13-16.PMID: 28140305

http://www.medicinabuenosaires.com/PMID/28140305.pdf

薬剤師としては、処方提案にこういったものも活用できるといいのかもしれません。ただアルゴリズムも便利ですが、そこで思考をストップさせてしまうようにはならないようにしたいです。
プレドニン長期使用、オピオイド、抗がん剤治療3)Polypharmacy in patients with advanced cancer and the role of medication discontinuation.Lancet Oncol. 2015 Jul;16(7):e333-41.PMID:26149885など、どうしても薬剤数が多くなってしまう実態はあると思います。また、消化器系の薬やビタミン剤など念のため、『やさしさ処方』のような、漫然投与に近い処方も多いのではないかという印象です。
目の前の患者さんは何を大切にしているのか、何で苦しんでいるのか。
患者さんを含めた多職種の思いを共有したうえで、薬物治療のリスクベネフィットを考え続けていくことが結局一番大事なのかなと思いました。

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References   [ + ]

1. The prescribing cascade. Aust Prescr 2011;34:162–6
2. Prescribing cascade. A proposed new way to evaluate it.Medicina (B Aires). 2017;77(1):13-16.PMID: 28140305
3. Polypharmacy in patients with advanced cancer and the role of medication discontinuation.Lancet Oncol. 2015 Jul;16(7):e333-41.PMID:26149885

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