処方最適化法(POM)について

今回は、この論文を読んでみることにしました。

Prescribing optimization method for improving prescribing in elderly patients receiving polypharmacy: results of application to case histories by general practitioners.
Drugs Aging. 2009;26(8):687–701
PMID: 19685934

《論文のPICO》

P:45人の家庭医(GP)が
I :処方最適化法(POM)を使用する
C:使用しない
O:適切な処方決定の割合

適切な処方決定は、4人の高齢者医療に詳しい方に評価されたとしています。
彼らは、POMを知ってはいましたが、評価時は使用していないとのことでした。

《POMとは》

1【未治療、過少治療は存在するか?】
例:タンパク尿ありの糖尿病(ACE阻害薬)、狭心症(βブロッカー)、1か月以上のステロイドの使用(骨粗鬆症治療薬)など

2【薬物治療のスケジュールを守れていますか?】
直接聞いてもいいし、血圧などの測定値による客観的な指標での把握でもよい。

3【中止できる薬物、不適切な薬物は存在するか?】
禁忌となりうるような薬はないか調べること。
高齢者だと、想定される寿命と利益を考慮することの大事さ、ただ、年齢だけで治療は必要ないとはならないことに注意は必要。
例:COPD(長時間型ベンゾジアゼピン系薬)、認知症(強い抗コリン薬)、便秘(ベラパミル、ジルチアゼム、抗コリン薬)など

4【有害事象は表れているか?】
聞かないといってこない場合も多く、有害事象の聞き取りはとても大切です。

5【臨床的に問題のある相互作用は存在しているか?】
例:ACE阻害薬とNSAIDs、K保持性利尿剤(高K血症)、高血圧治療薬と抗精神病薬(高血圧治療薬の作用増強)、高血圧治療薬とNSAIDs(高血圧治療薬の作用低下)、SSRIと利尿剤、NSAIDs(低Na血症、胃出血)など

6【投与量、投与回数、薬物の形態を調整すべきか?】
腎機能などにおける調整は高齢者の場合は注意が必要なことが多い。
例:ACE阻害薬、抗生剤、ロスバスタチン、メトホルミン、NSAIDs、βブロッカー、H2ブロッカーなど

《結果》

POMなし:34.7%
POMあり:48.1%

《感想》

今回の論文は、評価方法などもバイアスが入りやすいと思いますし、POMが実際効果があったかどうかは正直よくわからないところだと思います。
しかし、効果があるなしではなく、薬物治療の適正化に向けてのとっかかりの1つとして、手段の1つとして、知っておくことは大切ではないのかなと思いました。
様々な方法がある中で、どれが使いやすいか、現場への組み入れやすさなどの視点も大事だと思います。
個人的には、使いやすそうなイメージですが、POMを用いて導き出した答えが絶対正しい答えだとは思わずに、選択肢の1つとして、思考の幅を持てることが大切なのではないかと思います。

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