ポリファーマシーに対するオランダの活動

論文の質的には、あまりよくないかもしれませんが、今後ポリファーマシーについて何か動いていかなければいけない中で、参考になる部分は多いのではないかなと思い、オランダでの薬剤師のポリファーマシーに対する活動の研究論文を読んでみることにしました。

Clinical medication reviews in elderly patients with polypharmacy: a cross-sectional study on drug-related problems in the Netherlands.
Int J Clin Pharm. (2016) 38:46-53
PMID: 26597955

《論文のPICO》

PICOは、分かりづらかったのですが、僕は以下のような形かなと考えました。
横断研究でレビュー的な論文でした。

P:ポリファーマシー状態(慢性疾患治療薬5つ以上)の65歳以上の高齢者
I  :clinical medication review (CMR)を行う
C:比較対象はなし?
O:drug-related problems (DRPs)の有病率
オーバードーズ、アンダードーズであった薬剤の種類
CMRによる提案の実施率

《批判的吟味》

この研究はオランダの論文でしたが、これはCMRの現状調査のような論文だったのでしょうか?
横断研究の論文は読んだことがないのですが、比較対象がゴールドスタンダードのものであるかや、その方法に再現性があるかなど、診断の研究に用いられることが多い印象です。
今回の研究では、大手薬局チェーンの支援システムを使った方法とありますので、通常のやり方とは少し違う部分があるかもしれません。

《結果》

DRPs:平均3つのDRPを有している。
多かったのは、オーバードーズ(25.5%)、アンダードーズ(15.9%)
オーバードーズとしては、PPIの投与、クロピドグレルの投与が主に挙げられていた。
また、脂質異常症治療薬、抗血栓薬はオーバー、アンダードーズともにされやすい傾向があった。
提案に関して、薬物の中止に関しては、実施率は46.6%であった。
実施されなかった場合、他の方法の実施、医師側の拒否、患者側の拒否があった。

《感想》

国別の違いは結構あるかもしれませんが、日本でもオーバードーズやアンダードーズ、有害事象が出ている処方カスケードなどは、処方のレビューをしたら結構出てくるのではないかというのが現場での印象です。
減薬の提案が、半分近く通っているのは個人的には驚きでした。
オランダでは、医師との連携がきちんとできており、コミュニケーションがとりやすい環境にあるのかもしれません。
今回の論文を参考に、CMRを薬剤師が行い、必要に応じて医師・患者に提案していくことは必要なことであり、それがポリファーマシーなどの問題に対処していけるようになるのではないかと感じました。
実際今回の論文ではCMRがどれほどの効果を持つかは不明ですが、日本でそのような実績を積み上げていく必要もあるのではないかと思います。
CMRの手順やオランダでの処方提案までの流れなどをより具体的に学習する必要があり、それを日本にどう落とし込んでいく必要があるのかを考えなければいけないと思います。
その辺の調査・検索能力が僕はあまり得意ではないのですが、少し挑戦していけたらなと思います。

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