ベンゾジアゼピン系薬を中止するために薬剤師ができること

最近、調剤報酬の改定、PMDAの適正使用のお願いの文書など、ベンゾジアゼピン系薬に関しては、注目が集まっているかと思います。
僕も、ベンゾジアゼピン系薬をただただ悪者にしたいとは思いませんが、現状、世界と比べても日本の処方量は多く、高齢者への転倒リスクなどを考えると、何もしないわけにはいかないのではないかと思います。
ただ、漫然と使用してしまっている方、今後転倒リスクが高い方などには、ベンゾジアゼピン系薬の減量・中止を考えて行くべきだと思います。
そのための正解的な方法は多分ないでしょう。
だからと言って何もしないわけにはいかないと思います。
何かヒントを掴むためにもいくつか論文を読み、何か地域のためにできればと思っています。

Comparative efficacy of two interventions to discontinue long-term benzodiazepine use: cluster randomised controlled trial in primary care.
PMID: 24526745

《論文のPICO》

P:18ー80歳、6ヶ月間継続してベンゾジアゼピン系薬を使用している532人
*除外基準:精神疾患、てんかん、認知症、アルコール・薬物乱用者、介護・終末期などとしています。
I /C:通常ケア/隔週ごとの来院により漸減を行う構造化教育的介入(SIF)/書面説明で漸減を行う構造化教育介入(SIW)
O:一次アウトカム→12ヶ月後の中止率
二次アウトカム→6ヶ月後の中止率、6・12ヶ月後のうつ・不安症状、睡眠満足度、アルコール消費量、離脱症状

《批判的吟味》

ランダム割り付けは、中央割り付けで行われており、どの介入に割り付けられるかは、決定するまで、医師・患者ともにわからないようにしたとしています。
今回の研究の特性上、医師・患者は、マスキングできないことから、評価者と解析者は、患者配分がわからないようにしたとしています。
手法としては、PROBE法ではないかと思います。
介入手法を標準化するため、SIF/SIW群の医師は、ワークショップなどに参加してもらったとしています。
教育時のポイントは、依存・離脱症状に関すること、長期使用における記憶・認知機能・転倒リスクに関すること、減量についての安心について、リーフレットについての説明としています。
ベンゾジアゼピン系薬の減量は、2-3週ごとに、10-25%とし、場合によっては、長時間型であるジアゼパムへの切り替えも行ったとしています。
一次アウトカムが中止率から、ハードエンドポイントであると考え、PROBE法でも問題はないと考えました。
ITT解析の記述は見受けられませんでしたが、ランダム割り付け後は、全員解析に組み込んでいそうかなと判断しました。

《結果》

一次アウトカム
コントロール群: 26/173 (15.0%)
SIF群: 86/191 (45.0%) 3 (95%CI 2.04–4.40, P〈0.0001)
SIW群:76/168 (45.2%) 3.01 (95%CI 2.03–4.46, P〈0.0001)
SIF群とSIW群では、有意差は出なかったとしています。

一人、中止介入中に、ベンゾジアゼピン系の過剰服用で自殺を試みた人がいたとして、今回の介入が原因になっている可能性もあるが、ベンゾジアゼピン系の服用自体が、自殺未遂のリスクを6倍あげることもあることから、総合的に考える必要があるとしています。

《個人的見解》

医師による直接的な介入と、書面を用いた介入が、中止率がほぼ同等であるのは、驚きでした。
書面による介入は調剤薬局でもできやすいのではないでしょうか。
ただ、そのためにも、書面の説明をして終わりではなく、きちんとしたアフターフォロー、生活習慣の見直しの手伝いをして行く必要があると思います。
そこに、かかりつけ薬剤師としての責務もあるのではないでしょうか。
ただ、今回の介入は、SIF/SIW群ともに、ほぼ半分が中止できていることから、ここに参加されている医師の説明を自分も一度受けてみたいと感じました。
自分も今回の学習を機に、自分の存在で、患者さんに安心感・信頼を持ってもらえ、それにより睡眠しやすくならせてあげられるような存在になりたいものです。

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